「シリコンバレー式 自分を変える最強の食事 」は、かなりアメリカンな考え方な本ですが、参考にはなりました。
2018/06/08
本との出会い
友人たちとの食事会直前に、30分ほど早く集合場所に到着してしまい、
手持ち無沙汰だったので、近くの本屋に入り、棚を見ていたときに、
この「シリコンバレー式 自分を変える最強の食事 」が、目に入り、パラパラとめくってみて、なんとなく内容がよさそうだったので、買ってみた本になります。
全体的な感想
本書をパラパラ読みする程度や、最初の方を読んでいるときは、興味深く読んでいたのであるが、
読み進んでいくうちに、本当に科学的に裏づけされているのか、違和感を抱くようになっていくことになった。
この本の著者は、デイヴ・アスプリー氏。
巻末の紹介には、「IT起業家、マーケター、投資家、そして自分の心身を劇的に改造したバイオハッカー。」とある。
実業家として実績があり、自身の提唱する方法を実践して成果を収めたことは、理解するのだけれど、科学的観点としては、本当に著者の記述するとおりなのか…というのは、疑問を感じながら、読み進めることになった。
Wikipedia上でも、著者の功績について、賛否両論があるような記載が見受けられる。
Wikipedia デイヴ・アスプリー
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%A4%E3%83%B4%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%BC
また、原著がUSAのものであることから、
考え方…というか、前提条件が、
日本での食事ではなく、USAでの食事である…ということを強く感じるようになってくる。
たとえば、ナッツ・豆類の完全無欠度・リスク度の対比は
↑完全無欠
・ココナッツ
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・(該当なし)
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・(該当なし)
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・(該当なし)
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・アーモンド、カシューナッツ、栗、ヘーゼルナッツ、マカダミアナッツ、クルミ
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・ピスタチオ、松の実、発芽豆、ブラジルナッツ、ヒヨコ豆、ほとんどの豆類(乾燥豆やレンズ豆)、ピーナッツ、チアシード
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・大豆、ジャイアントコーン
↓ハイリスク
…といった形に分類されている。
いささか極端に過ぎると私には感じられる。
最下部の「大豆」に関しては、遺伝子組み換え大豆が主流であろうUSAらしい考え方・日本の環境化にはあまり適していないのではないか…とも感じてしまった。
実際に、本著でも、遺伝子組み換え食品・GMO原料について、懐疑的な立場を取っている。
特に最上部の「ココナッツ」は著者が提唱する「完全無欠コーヒー」に欠かせないMCTオイルの原材料である。
このMCTオイル…というものの価格がどのくらいか…と調べてみると、これまた決して安くない。
…とはいえ、
穀物飼育(グレインフェッド)された家畜の肉・乳製品より、牧草飼育(グラスフェッド)された家畜の肉・乳製品を取ったほうがいいという考え方は、本著を読む前の私にはなかった考え方であり、非常に参考になりました。
まぁ、著者の提唱する「完全無欠コーヒー」の材料「グラスフェッドバター」も、これまた決して安くない。
…というか、私はその金額を見たときに、非常に驚きました。
本書から学んだことは、細かいところをあげればキリがないが、
他の本や、健康番組などでも、取り上げられているので、再度勉強になったところが…
- マーガリンなどに含有している人工トランス脂肪酸が、健康を害すること
- オメガ3を多く含んだ、不飽和脂肪酸を取ることが、健康によいこと
- 野菜に関しては食べすぎということはない
…といったところでしょうか。
原著のタイトルは「The Bulletproof Diet: Lose up to a Pound a Day, Reclaim Energy and Focus, Upgrade Your Life」みたいですね。
この Bulletproof というのは「防弾」との意味のようです。なるほど。
本とは直接関係のない感想ではありますが、
「シリコンバレー式」というワードに惹かれてしまう自分に、「自分はこういうワード・権威に弱いなぁ」と感じてしまいました。
この本が出版された 2015年9月ころから、「最高の」とか「スタンフォード式」とか「最強」とか「シリコンバレー式」といったワードが含まれたタイトルの本が多く出版されているような気がします。
私のように、権威に弱い人が多いのかなぁ…。
邦題のタイトルをつけた方(日本での出版社 ダイヤモンド社でしょうか)が、私のように権威付けに弱い人に向けたマーケティング手法を意識して、昨今のタイトルのつけ方の風潮を踏まえているんだなぁ、とも感じた次第ではあります。
まぁ、それを意識できたことも、この本から得られた教訓ではありましたね。
本の購入について、次から注意してみます。